NEWS

お知らせ

【SS】ロラン=アーシュベルトとリオ。リリアの本心

──リオ

ボクの偉大な功績の理解者だ。

彼のまっすぐな眼差しに心惹かれ、特別にボクの友人であることを認めた唯一の男だ。
今日はそんな彼のために、恋愛のイロハを伝授してやることにした。

「よいかリオ! まず肝心なのは、レディに自らの輝かしい功績を惜しみなく語ることだ。
そうやってボクは、リリアのハートをがっちり掴んできたのだよ。」

ボクを見るリオの瞳が、きらきらと輝いている。
そうだ、この熱い視線こそが欲しかったのだ。
彼はきっと、ボクの最高のパートナーになれるに違いない。

「日々、リリアーヌの熱いまなざしを感じているのだ。アーシュベルト家を継ぐ者として奮闘するボクの姿に、彼女の胸はきっと高鳴っているはずさ。照れ屋だから口には出さないが ──ボクにはその繊細な心の震えが、肌を通じて伝わってくるのだよ!」

リリアーヌと出会って十数年。
今までずっとリリアーヌのことを思い続けてきた、その熱をリオに届けなくてはならない。
気づけば一時間ほど、ボクは熱弁を振るっていた。

「どうだ、リオよ。キミも、ボクの真似をすればきっと恋が成就するさ。応援しているぞ、頑張りたまえ!」

「ははは……ロランさんは本当にすごいですね〜! ところで、リリアさんとは普段どのようにお過ごしなんですか?」

「そうだな。ボクが一番輝けるゴルフに連れて行くことが多いさ! リリアーヌも、ボクの眩しい姿をこの目で確かめたいに違いないはずだからな!」

「へえ〜、そうなんですね!」
(……それ、リリアさん、嬉しくないのでは……)

「ん? 今、何か言ったか!? 声が小さくて聞き取れなかったぞ!」

「あ!いえいえ、なんでもございません! ロランさんとリリアさんは本当に仲良しなんだな〜って思っただけです!」

「だろう! なにせリリアーヌとは長年の付き合いだからな! 彼女のことは誰よりもボクが理解しているのさ!
リオ! ぜひ、このロラン流を余すところなく参考にしてくれたまえ!」

── 後日 ──

「ロランさんがこんなことを仰ってましたよ、リリアさん!」

「あら……まあ。恐れ入りますわ、リオ様。あの御方の軽口にまで、わざわざお付き合いくださったのですね。……さぞ、おガッカリなさったでしょう?」

「はは……そうですね。 恋愛のイロハは正直あまり参考にはできませんが……ロランさんのあの力強い眼差しと、自信に満ちた立ち振る舞いは、見習いたいと思ってます。……ただ、リリアさんがお気の毒だな〜と思いながら聞いていました」

「まあ……お気になさらないでくださいませ。私はもう慣れっこですの。……あのように見えても、ロラン様にも優しい一面がございますから……。完全に嫌いになって切り捨てることができないのですよ」

「ロランさんって、悪意がまるでないところが素敵で、とても魅力的なんですよね。私もそのように思っております」

「ふふ……ありがとうございます、リオ様。変わった御方ではありますけれど、これからもロラン様のことを、どうかよろしくお願いしますわ。それより──リオ様も、その真っ直ぐなお気持ちで、ルクレイアにお声を掛けていらっしゃるのでしょう?」

「え!? あ、はい! もちろんです! 初めは目も合わせてもらえませんでしたが、今では少しずつ言葉を交わしてくださるようになったんです。ルクちゃんが心を開いてくださるまで、諦めずに向き合います!」

「まあ……頼もしいこと!リオ様のようなお方と巡り会えるのは、奇跡のようなことだと、あの子にも申しているのですけれど……。どうしても頑なで、男性に対して心を開こうとしないのですわ」

「いえ、それもルクちゃんの魅力のひとつだと思っていますし……。ルクレール家の名を背負い続けることは、大きなご負担でしょうから。少しでもその重荷を和らげることができたらと、そう願っております」

「あら……まあ。リオ様のお言葉を伺っておりますと、まるでご結婚を前提に語っていらっしゃるようですわね。ふふ……リオ様がそばにいてくださるのなら、私も安心できます。ルクレイア──あの子には、私と違ってどうか幸せになってほしいのです。……リオ様、これからもルクレイアのことを、どうかよろしくお願いいたしますね」

「はい、もちろんです!」