NEWS

お知らせ

『ロラン × オフィリア』ショートストーリー

先日発表した新キャラのオフィリアロランのショートストーリーです!
オフィリアの会話イメージを膨らませるために書いてたものなので、この喋り方からまた変更になるかもしれませんが、一旦これで進めていきたいな、と思っています!

ロラン、オフィリアって誰?という方向けにキャラシ置いておきます!




----------------------------------------------------------------------------------------------------

「ねえねえ、どうだったの?」

私の営む小さな古書店『リディアン・リーヴズ』に今日も彼がやってきている。

「リリアーヌは喜んでくれたぞ!これでボクのことをもっと好きになったに違いない。なにせボクほどリリアーヌのことを愛している男はこの世にいないのだからな。」

金髪で、顔は整っていて、文武両道で、品格もあるこの男の子がロランくん。
黙っていれば誰もが憧れる王子様系男子なんだけど口を開くと本当に残念で。
婚約相手の方に嫌われているのも納得できちゃうというか。

「へー、そうなんだ。で、リリアさんの反応はどんな感じだったの?」

「反応?喜んでくれたと言ったではないか!」

「それはわかってるよー。どんな風に喜んでくれたのかな〜って気になったの!ね、具体的に聞かせて!」

「具体的って......。『ロラン様、ありがとうございます』と言ってくれたが?」

「それでそれで?」

「それでとは......。『ありがとうございます』と言ってくれたのだが。それだけだ。」

「えーーー!?それだけ!?」

「それだけとはなんだ…『ありがとうございます』とお礼付きで喜んでくれたのだぞ。これ以上何を求めるというのだね!?」

そう、この感じ。ロランくんって空気も読めなければ、乙女心もまるで分かっていないのよね〜。
こんなの絶対社交辞令じゃん!!!

「そっか〜……ロランくん、あんまり言いたくないけど……」

「なんだ?」

「社交辞令ってやつじゃないかな......」

「しゃ、社交辞令……。んなっバカな!?リリアーヌに限ってそんなわけあるまい!なんせボクとリリアーヌは......」

不意を突かれたような顔してる。やっぱ本当に喜んでくれてると思っていたんだ。

「はぁ......ロランくん。」

「まったくキミという人は。アーシュベルト家でこの古書店が成り立っている恩はないのかね!」

「恩があるからロランくんのめんどくさーい話を最後までちゃーんと聞いてあげてるのよ。私しか聞いてくれる人いないんでしょ?」

「ぐっ...、それはそうだが.......」

「それに!ロランくんのお父様とお母様からロランくんの話をまともに聞かなくても大丈夫だから、って言われてるもん!」

「なっ、母上!?父上!?」

ロランくんのお父様もお母様もロランくんの暴走っぷりには呆れてるけど、ロランくんに悪意がない純粋な気持ちで動いてるのをみんな分かっているから何も言えないのだけど。こういう一面も含めてロランくんだし。

「オフィリア……キミという奴は……ボクのことをなんだと思っているんだね。ボクはなんと言ってもアーシュベルト家の」

「あ〜!また始まったよ。すぐそういうこと言うからリリアさんに嫌われるんだよ〜!」

「なっ!?嫌われてなんかない!!!ボクもリリアーヌを、リリアーヌもボクのことを、お互い世界で一番愛している約束された愛を誓い合った仲なんだからな!!」

「うえ〜!なにそれ!笑っちゃう。けど、これもロランくんの良さよね。やっぱアーシュベルト家を継ぐ者として、これくらいポジティブさが無いとダメだと思うし!」

「それは褒めているのか!?」

「褒めてる褒めてる!でもね〜私はロランくんがリリアさんに嫌われて破談になっちゃうストーリーもとても面白くて興奮しちゃうから、それはそれでアリなんだけどね〜。このまま政略結婚という約束された結末を迎えちゃったら物語としては何も面白くないじゃない。人生山あり谷ありだよ!希望に満ち浮かれていた御曹司が絶望の淵に立たされ、狂気に陥って、アーシュベルト家を乗っ取っちゃう!みたいなストーリーも面白いじゃない。」

「いや、全然面白くないだろう!人の人生をなんだと思っているのかね。小説みたいに楽しむのはやめたまえ。せめて、ボクとリリアーヌが結婚して幸せにしてる姿を想像して楽しんでくれたまえ。」

「結婚って………。まずはリリアさんに信用してもらうところからじゃない?ロランくん信用されてないでしょ。」

「ぐっ、そんなはずあるまい!!ボクとリリアーヌは………!!」

「あ〜ちょっといじめすぎちゃったかな。ごめんごめんロランくん。ロランくんなら大丈夫だよ。なんて言ったってアーシュベルト家を継ぐ男でしょ!?」

「そうだった。ボクはアーシュベルト家を継ぐのであった。何があろうともボクはリリアーヌと結婚し、アーシュベルト家の功績を世に伝えていくのが使命。こんなところで立ち止まってる時間はないのだ!流石オフィリア。ボクの素晴らしさを理解している。家を継いだ暁にはキミにも褒美をやろうではないか。楽しみにしておきたまえ!」

「はいはい、楽しみにしてるね!」

「ではさらばだ。オフィリア。」

ロランくん行っちゃった。
ま、彼が楽しそうだからそれでいっか。